キックの軸足の甲に痛みがあり、第5中足骨の疲労骨折と言われました。くわしく教えて下さい。(中学2年男子・サッカー部)

使いすぎ症候群(疲労骨折)

images疲労骨折はスポーツによる代表的なもので、使い過ぎ症候群(overuse syndrome)の1つです。1回の外力では骨折に至りませんが、繰り返し外力が加わる事によって骨折を起こします。最近のサッカー選手などに多く見られ、動作としてはセンタリングを挙げる時に、つま先が内側に踵が外に向く足の格好になると起こりやすくなります。
ワールドカップに出場した玉田選手、柳沢選手、小野選手などもこのタイプの骨折でした。
 症状は運動をした時の痛み、腫れ、押した時の痛みで、診断はレントゲンでわかります。ただ、疲労骨折の場合、痛みが出てすぐには骨折がはっきりしない事が多いため、1〜2週間後に再度レントゲンを撮る必要があります。
 治療としてはスポーツを禁止し安静が大事です。上半身などの体幹系のトレーニングは構いません。安静の期間は8週間は必要だと思われます。ただ治りにくい骨折の1つで、場合によっては手術が必要です。以前は腰の骨を移植する手術が行われていましたが、最近は骨の中にスクリューを入れて固定する方法が主流になっています。この方の場合、まだ中学生のため、成長線が残っていると思われるので、手術はしない方が良いでしょう。
 私の治療経験で最長3年半もかかったラグビー選手がいました。この方は安静が守れなかったため治らな
く、結局ラグビーを辞めてしまいました。診断だけでなくスポーツ復帰のタイミングなどは、自分で判断せず整形外科専門医の指示に従う事が一番早く治る手段だと思います。