柔道で投げられ肩を脱臼しました。初めての脱臼です、今後どうしたらいいでしょうか?
(中学3年男子)

外傷性肩関節脱臼

● きちんと初期固定し、再発防止を!

img肩から落ちて手を着いたり、肩をひねったりすると肩関節脱臼を起こす事があります。今回は外傷性肩関節脱臼についてお話しましょう。
 スポーツによる肩関節脱臼は約90%が前方に脱臼します。ラグビー、アメフト、柔道などのコンタクトスポーツに多くみられます。
スキーやスノーボードで転んで手をついた時にも起こりやすいです。
 症状は激しい痛みと変形がみられ、動かせない程の痛みです。レントゲンを撮ればすぐにわかりますし、上腕骨(腕の骨)の一番上の部分の骨折や肩甲骨の骨折を伴う事もあるので、一度はきちんとレントゲン検査を受けた方が良いでしょう。
 治療はまず脱臼の整復を行います。整復されると痛みはかなり軽くなります。その後固定をします。肩関節脱臼は初回脱臼と2回目以降の再脱臼では、その後の経過がかなり違うので初回脱臼の場合きちんとした固定を受ける事をお勧めします。
 数年前までは三角巾をしてその上から幅広の包帯などでグルグル巻きにして、腕を身体にくっつけるよう
な固定を6〜8週間行っていました。最近はショルダーブレースといって、小さい前へならえのような状
態にして固定する装具が開発されました。これによって以前は非常に高かった再脱臼率もかなり下がり、固
定期間も3〜4週と短縮されました。その後リハビリをしっかり行うと良いでしょう。
 背伸びなどで簡単に脱臼する方は反復性肩関節脱臼と言います。頻繁に脱臼する場合は手術が必要になり
ます。確かに初期固定は„うっとうしい“感じはありますが、非常に重要です。