テニスをしていますが1カ月前から肘が痛くてプレーが出来ません。どうしたらいいでしょうか?(中学1年、女子)

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

これは一般的に言われるテニス肘という状態です。正式には上腕骨外側上顆炎と言います。手首を伸ばす腱(短撓側手根伸筋)は肘の外側から始まっていて、テニスのバックハンドを打つ時に痛めることが多いのでテニス肘と言われています。スポーツ種目としては、テニスをはじめゴルフ・バドミントン・卓球・剣道などでもみられますが、手の使い過ぎでも起こるので主婦にも多くみられます

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原因として短撓側手根伸筋の微細断裂や関節包や骨膜の炎症があります。プレーの時に痛いのはもちろんですが、日常生活でみられる症状はタオルをしぼる、ドアのノブを回す、物を持ち上げるといった動作でピリッと痛みが走ります。肘の外側の圧痛(押しての痛み)もありますが、何もしなければ痛みがないことが多いです。いくつかの誘発テストがあり診断は容易です。レントゲンで異常を示すことはほとんどありませんが、まれに石灰化をみることがあります。
 治療はプレーを制限することが大事ですが、なかなかすぐには治りません。湿布や塗り薬などの外用薬を使ったり、痛みが強い場合は痛み止めの飲み薬を一時的に使うことも良いでしょう。リハビリで温熱や低周波をかけることは治療期間の短縮につながります。大人であれば、ステロイド注射をすることもありますが、中学1年生であればやらない方がいいでしょう。
 一番大事なのは肘を伸ばし手首を曲げるストレッチです。左右10秒ずつ交互に3回行い、これを1セットにして1日3セット以上やります。ストレッチは痛みの強い時期から始めて構いません。
 治るまでには2〜3カ月はかかります。充分に治らないうちに無理な運動をするとすぐに再発します。根気良く治療することが重要です。テニスエルボーサポーターを使うのもいいでしょう。
 また再発予防に2kgの鉄アレーを使って筋力強化をしたり、プレーの前の温熱療法やストレッチ、プレー後のストレッチとアイシング(冷却療法)をそれぞれ15分ずつやるといいでしょう。